事業承継で先代と後継者が対立するのはなぜ?建設会社の「確執リアルストーリー」と解決策を解説

カテゴリ:建設業経営

この記事はYouTube動画をもとに作成しています

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創業70年・年商20億円。はたから見れば業績絶好調の建設会社で、80歳の会長と50代の社長の間に、承継から4年目で確執が起きました。

原因は、株式の8割を会長が握ったまま、優秀な社長が業績を伸ばすほど株価が上がり、かえって引き継ぎが難しくなるという構造です。

結論から言えば、お金より難しいのは感情面の調整であり、解決のカギは「中立な第三者」が間に入ることでした。

70年
事例企業の
創業歴
20億円
事例企業の
年商規模
8割
会長側に残った
株式割合
4年目
承継後に
表面化

事業承継における先代・後継者の確執とは
株式の移転、つまりお金の問題と、経営方針や立場をめぐる感情の問題が絡み合って生じる対立です。お金の話だけでは解決できず、当事者同士だけでは着地させにくいのが特徴です。

業績絶好調でも、なぜ確執は起きるのか

今回のモデルケースは、創業70年、年商20億円の建設会社です。30年近く経営してきた会長が、親族内の若手である50代の現社長へ事業を引き継ぎました。

引き継いだ後も業績は絶好調で、社長も非常に優秀。はたから見れば、バトンパスもできて業績も伸びている、何の問題もない会社です。

ところが、会社の内側では確執が起きていました。承継から約4年。後で詳しく見る「株」と「感情」の問題が静かに進行していたのです。

優秀な後継者ほど引き継ぎにくくなる、株価上昇のパラドックス

段階的に渡すつもりが、株価が上がってしまう

株を100%同時に引き継ぐケースは、ほとんどありません。まずは一部だけ渡し、「やってみろ」と様子を見るのが一般的です。

すると、優秀な後継者ほど張り切って新しい取り組みを進め、業績をさらに伸ばします。これは会社にとって喜ばしいことです。

しかし、その結果として株価が上がります。段階的に渡そうと思っていたのに、気づけば残りの株の評価額が手に負えない水準になっている。後継者が優秀であればあるほど、この罠にはまりやすいのです。

頑張るほど、引き継ぎが難しくなる
後継者にとっては、自分が頑張るほど自分の首を絞めるようなものです。かといって、業績を下げるわけにもいきません。ここが自社株承継の難しさです。

株を集約できない不安定さ

今回のケースでは、現社長の持ち株は約2割。残りの8割は、会長を中心に保有されたままでした。

この状態は不安定です。もし会長と衝突して「では社長を辞めろ」という話になれば、ここまで頑張ってきたことが報われなくなってしまいます。株を集約できていないことが、後継者の足元を不安定にしているのです。

お金より難しい「感情面の確執」

経営を進めるうちに、会長と社長で方針が食い違う場面が出てきます。世代も違えば、時代も変わっています。やり方が違うのは当然です。

「勝手にそんなことをして」という会長の思いと、「自分はこういう責任の取り方をしたい」という後継者の思い。これがぶつかります。

そして、この対立が株の移転問題と絡み合うと、話は一気にこじれます。買い取り資金の調達、持株会社を使った買い取りスキームなど、お金の解決策はいくつかあります。難しいのは、感情面の調整です。

承継は、数字だけでは終わらない
お互いが納得し、未来に向けてこの会社をいい形で残すために足並みを揃える。ここが最も難しいポイントです。

解決のカギは「中立な第三者」が入ること

客観的な判断軸と、ほどよい緊張感

当事者同士、特に親族間では、利害関係と感情のもつれが重なって合意が難しくなります。そこで意味を持つのが、中立な立場の専門家が間に入ることです。

お互いの状況を客観的に見て、「会社にとってはこういう形がベストではないか」「税務的にはこういう配慮が必要だ」といった判断軸を、冷静な立場から示す。

第三者が入ることでほどよい緊張感が生まれ、感情論で止まらず、話が前に進みます。

株価や確執ではなく、「会社をどう残すか」で同じ方向を見る

もう一つ大切なのは、議論の土俵を変えることです。「株価がどうだ」「あの態度がどうだ」という話に終始すると、まとまりません。

視点を、会社・社員・お客様のことへ引き上げるのです。会長にも社長にも、根っこには「会社を残したい」という共通の思いがあります。

話し合うべきテーマを変える
「誰が悪いか」ではなく、「この会社をどういう形で残したいか」。この問いに変えるだけで、対話の方向が変わります。

目指すのは「三方よし」の着地

最終的に目指すのは、継ぐ側、継がせる側、そして残されていく会社。その全員にとって納得感のある着地です。

どちらか一方の主張だけを立てれば、必ずもう一方が立たなくなります。だからこそ、「築いてきた会社という資産を、次世代へどういう形で残すのか」という大義に立ち返ることが必要です。

お金の面の解決はもちろんですが、それ以上に、感情のもつれがあったとしても、しばらく経った後で「あの時ああ決めて良かった」と思える着地に持っていくこと。これが何より重要です。

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「先代がなかなか株を渡してくれない」「方針が合わずぶつかってしまう」「業績は伸びているのに、引き継ぎの見通しが立たない」。こうした確執は、当事者同士だけで抱えるほどこじれます。

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よくある質問(FAQ)

Q. 業績の良い会社でも、事業承継で揉めるのですか?

A. むしろ業績が良い会社ほど、自社株の評価額が高くなり、株の引き継ぎで揉めやすい面があります。

Q. なぜ後継者が優秀だと、株の引き継ぎが難しくなるのですか?

A. 後継者が業績を伸ばすほど自社株の評価額が上がり、残りの株を引き継ぐ際の贈与税や買い取り資金が膨らむためです。

Q. 先代と後継者の確執は、お金で解決できますか?

A. お金の問題には解決策がありますが、より難しいのは感情面の調整です。お金と感情の両面に向き合う必要があります。

Q. 第三者が入ると何が変わりますか?

A. 客観的な判断軸が生まれ、感情論に流れにくくなります。会社にとってどの形がよいかを冷静に整理できます。

この記事の著者

岡田 聡(おかだ さとし)
株式会社シードコンサルティング 代表取締役
建設・リフォーム業界の中小企業に特化した財務・事業承継・M&Aコンサルティングの専門家。20年以上にわたり500社超の建設業経営者を支援。100件以上の事業承継案件を手がけた実績を持つ。YouTube「建設業支援TV〜お金のミカタ〜」で業界の経営ノウハウを発信中。
https://seed-consulting.jp/

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