事業売却した場合、従業員はいったいどうなる?大切な社員を引き継ぐ方法とは

みなさん、こんにちは。建設・リフォーム業界の中小企業に特化し、財務・事業承継・M&A支援を積極的に行っている株式会社シードコンサルティングです。

新型コロナウイルスの感染拡大により、事業が大きく減収・減益となった企業は少なくありません。不本意ながらも事業を継続していくことが困難になり、事業売却を検討しているという企業もあるでしょう。

そこで問題となるのが、従業員の引き継ぎについて。給与や待遇などは、どうなるのか気になる方も多いのではないでしょうか。今回は、事業売却や事業譲渡に伴い、従業員はいったいどうなるのかについてご説明します。

そもそも事業売却とはどんな状況?

事業売却とは、事業譲渡とも呼ばれ、売り手側の企業が事業の一部あるいは全部を譲渡契約を締結した買い手側の企業に移行する状況をいいます。

似たようなケースで株式譲渡というものがありますが、こちらは売り手企業が買い手企業に自社の株式を譲渡して事業を移行する方式ですが、この場合、売り手企業は買い手企業の子会社となって、組織自体は存続が可能です。

これに対し、事業売却は売り手企業の事業部門を完全に買い手企業に譲渡し、組織に吸収されます。

なお、同様のM&Aの手法に吸収合併と吸収分割があります。それぞれの特徴については、以下のとおりです。

吸収合併

買い手企業に全事業を移行するM&A手法。売り手側の企業自体が消滅し、買い手企業に一体化される

吸収分割

売り手企業の一部の事業を買い手企業に移行するM&A手法。売り手企業の残りの事業、会社自体は存続する

これらのM&A手法と事業売却(事業譲渡)との違いは、その事業に含まれる権利義務の承継にあります。なお、事業の権利義務には主に債権、債務、契約関係、ブランド、事業のノウハウ等があります。

事業売却では、こうした権利義務に関して個別に移行の手続きが必要となりますが、吸収合併や吸収分割の場合、権利義務に関しても包括的に承継するため、手続きは不要です。

事業売却による従業員のメリットは?

事業売却によって、従業員にとっては社名が変わる、所属する組織が変わることになります。当然、これまでの待遇が維持されるのか、給与面で不利を被ることにならないか気になるところでしょう。また、売り手企業の経営者にとっては、これまで頑張ってくれた従業員が冷遇されるのではと考えることもあるでしょう。

それでは、売り手企業の従業員が事業売却で買い手企業に移った場合、どのようなメリットがあるのでしょうか。

買い手企業が大手だった場合、ステータスが上がる

従業員にとって、新たな職場環境に移るのは大変なことですが、その事業に将来性があるからこそ買い手企業が購入したとも考えられます。そのため、買い手企業側もグループとして信用が上がるというメリットがあります。

さらに、買い手企業が大手だった場合、従業員は大企業のグループ会社に所属することになるため、社会的信用やステータスがアップするケースがあります。これまで住宅ローンが借りられなかったのが、事業売却で移籍したことで借りられるようになる場合もあります。

給与面など待遇がアップする可能性が高い

一般的に事業を買い手企業が売り手企業から購入するといったM&Aのケースでは、売り手企業側は事業売却しなければならない状況であり、買い手企業は事業を購入する企業の体力があることを意味します。

つまり従業員にとっては、これまでよりも潰れにくい会社に移籍することになり、しかも将来性を見込んだ事業だから、頑張れば給与などの待遇面が向上する可能性が高いのです。

せっかく高待遇になったのに辞めちゃった!?よくある事業売却後の失敗例とは


事業売却による従業員のメリットをご紹介しましたが、せっかく高待遇になったのに従業員が辞めてしまうといったケースも少なくありません。

また、事業売却の契約には売り手企業の従業員が一定期間、会社に残ることが条件となっているケースもあります。その事業を承継する上で欠かせない従業員が辞めてしまっては、買い手側企業としては購入した意味がありません。そのため、事業売却の際に縛りを設けるケースが少なくないのです。

ただ、従業員の雇用条件などは本人の自由意志なので、辞めたいというのを無理に引き止めることはできません。それでは、事業売却で従業員が辞めてしまう理由について考えてみましょう。

売り手企業の経営者が辞めてしまう

従業員にとって、事業売却で移籍するというのは自社の社長に売られたと考えがちです。そのため、買い手企業も従業員引き止めを目的に、しばらくの期間、売り手企業の経営者を引き継ぎのために顧問として残ってもらうといった施策を取るケースがあります。

こうした施策を行わず、売り手企業の経営者が事業売却後のことは関知せず、あとは買い手企業側で勝手にしてほしいと辞めていってしまうこともあります。こういうスタンスでは、従業員も辞めてしまうリスクもあるため、M&Aが失敗となりかねません。

売り手企業と買い手企業の文化の違い

よくあるケースとして、売り手企業に会社としての仕組みが未熟で、雑なマネージメントが行われていた会社の文化があり、これが事業売却によって買い手企業に所属したら、きちっとしたマネージメントが行われて息が詰まるといったことがあります。

もちろん、企業としては規律や事業処理などをしっかりと形成することが重要ではありますが、会社によって文化が異なるため、強引に従業員に当てはめようとすると軋轢が生まれ、辞めていってしまうといったこともあり得るのです。

買い手企業側は事業を購入して立て直すという側面もあるため、時間をかけて少しずつ意識改革をしていくといったスタンスも必要になります。

従業員が辞めてしまう事態を回避するためにできること


せっかく購入した事業も、優秀な人材が辞めてしまっては意味がないため、買い手企業は待遇を良くするなどの努力をします。

また、売り手企業の経営者にとっても、これまで会社のために頑張ってくれた従業員が事業売却後も良い状況になってほしいと願うのは当然のことといえます。

そのため、買い手企業の経営者は従業員が辞めないために、改めて従業員の給与や社内制度について見直し、不満が出ないように事前に整えておくことが重要でしょう。

また、前述したように売り手企業の経営者を顧問として迎えるといった対策も有効です。特に建設業の場合、経営者と従業員のつながりが強い傾向があるため、恩のある売り手企業の経営者がいなくなったら自分も辞めてしまうといった可能性があります。

こうした関係性を維持し、従業員の不満などをヒアリングして残ってもらうように努力することが経営者として重要になるのです。

中長期的な視野で事業売却の検討を!


事業売却を検討している経営者の方や購入を考えている方は、すぐに事業が会社の基幹になると考えず、中長期的な視野で事業承継を検討するべきです。

シードコンサルティングでは、事業をスムーズに承継し、いずれ自社の基幹事業となる部門へと成長させるためのサポートをさせていただきます。

建設・リフォーム業界が抱える課題や現状を熟知している弊社だからこそ、事業売却による組織づくりのご提案や、従業員を辞めさせない施策など、さまざまなサポートによって事業そのものを成功させるお手伝いをいたします。

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