建設業はナフサショックの半年をどう生き届けるか?「守りの財務」と「攻めの営業」の両輪で打つ手を解説
カテゴリ:建設業経営
ナフサショックの本当の正念場は、材料が一斉に出回る前の2026年6〜7月です。この局面を生き延びる会社には共通点があります。資金繰りを固める「守りの財務戦略」と、影響を受けにくい商材・工事へ営業を広げる「攻めの営業戦略」を同時に回しているということです。
建設関連198社への実態調査で浮かび上がったのは、資金繰り不安・価格転嫁の難航・銀行対応・利益圧迫・工期遅延という5つのリスクが、同時多発的に経営を締め上げている現実でした。本稿では、シードコンサルティングと株式会社Speee(ヌリカエ)との業務提携から得た知見をもとに、「守り」と「攻め」で具体的に何をすべきかを解説します。
局面
回答
リスク
生存戦略
半年生存戦略とは
建設業における「半年生存戦略」とは、ナフサショックによる資材高騰・納期遅延・価格転嫁難が最も激しくなる数か月を乗り切るために、資金繰りと財務体質を固める「守りの財務戦略」と、影響を受けにくい商材・工事へ営業導線を広げる「攻めの営業戦略」を同時並行で進める経営手法を指します。
1. なぜ今、この半年が建設業の正念場なのか
ナフサショックは「材料がいつか戻れば終わる話」ではありません。材料供給そのものよりも、その間に積み上がる経営ダメージ──資金繰りの逼迫、価格転嫁の遅れ、銀行対応の混乱──が会社を追い込みます。
198社調査が映し出した「5つの同時リスク」
1. 資金繰り不安:材料費の先払いと入金のズレが運転資金を圧迫している
2. 価格転嫁の難航:上がったコストを請負代金に乗せきれず、自社で吸収している
3. 銀行対応:業績悪化局面での追加融資・条件変更の見通しが立てづらい
4. 利益圧迫:受注はあるのに、こなすほど粗利が薄くなる構造に陥っている
5. 工期遅延:特定の建材の納期未定が、工程全体と入金時期を後ろにずらしている
「材料が戻れば安心」が一番危ない
供給の回復と経営の回復は同時には来ません。価格改定の交渉、遅れた工程の取り戻し、薄くなった手元資金の回復には、材料が戻ってから数か月の時間差があります。だからこそ、材料が戻る前の今、打てる手を打っておくことが分かれ目になります。
2. 守りの戦略:資金繰りと財務体質をどう固めるか
まず守りです。攻めにいくにも、足元の資金が尽きては始まりません。シードコンサルティングが20年以上・500社超の建設業で磨いてきた守りの核心は、難しい財務理論ではなく次の3点です。
守り①:2〜6か月先の資金繰り表を「先に」つくる
決算書は過去の通知表であり、未来の地図ではありません。いま必要なのは、今後2〜6か月の入金と支払いを並べた資金繰り表です。「2か月先の手元資金がいくらになるか」を即答できない会社は、見えない崖に向かって走っている状態と同じです。
守り②:価格転嫁を「お願い」ではなく「仕組み」にする
価格改定を都度お願いするのではなく、見積書・契約書の段階で協議余地を残しておくことが重要です。契約に基づく協議に変わるだけで、交渉の土台が大きく変わります。
契約書・見積書に入れておきたい一文(例)
「燃料・運搬費・主要資材価格が急変した場合、請負代金および工期について協議の上、変更となる可能性があります。」
守り③:苦しくなる前に銀行と話す
銀行対応で最もまずいのは、資金が尽きる直前に駆け込むことです。業績が崩れる前、あるいは資金繰り表で危ない月が見えた段階で、先に状況と見通しを共有しておくことが重要です。
3. 攻めの戦略:影響を受けにくい商材・工事へ営業を広げる
守りだけでは、削るところがなくなった瞬間に手詰まりになります。ナフサショックの影響度は、扱う商材・工事種別によって大きく違います。ここに攻めの活路があります。
守りと攻め、それぞれの専門家が業務提携
シードコンサルティングは、建設・リフォーム業界に特化した財務支援を行ってきました。一方、外壁塗装・リフォーム業向けマッチングプラットフォーム「ヌリカエ」を運営する株式会社Speeeは、影響を受けにくい商材・工事への営業体制構築に強みを持っています。今回の提携は、中小建設・リフォーム会社を守りと攻めの両側から支える体制づくりです。
守りの専門家:株式会社シードコンサルティング
資金繰り改善・価格転嫁の仕組み化・銀行対応・事業承継など、中小建設業の経営を財務面から支援。
攻めの専門家:株式会社Speee(ヌリカエ)
外壁塗装・屋根・リフォーム業界向けのマッチングプラットフォームを運営。集客から受注までの営業体制構築を支援。
攻め①:自社の商材を「ナフサ依存度」で仕分ける
ナフサ由来の建材ほど、供給制限と価格高騰の直撃を受けます。一方で、依存度の低い工事・商材は相対的に影響が小さく、提案しやすい余地が残ります。
攻め②:影響の小さい商材へ営業導線を広げる
施工力という強みは同じでも、提案する入口を変えるだけで、材料リスクに左右されにくい受注の柱をつくれます。これは値引き合戦ではなく、リスク分散としての営業ポートフォリオの組み替えです。
攻め③:守りの数字が攻めの精度を上げる
案件別の粗利や資金繰りの数字は、攻めの場面でも機能します。どの商材が利益を残せているかが見えていれば、力を入れる商材の優先順位を勘ではなく数字で決められます。
4. なぜ「両輪」でなければ生き延びられないのか
守りだけの会社
コスト削減と資金繰りに追われ続け、削るところが尽きた瞬間に手詰まりになります。受注の中身が変わらないため、材料リスクに毎回さらされます。
攻めだけの会社
新しい商材へ動いても、足元の資金が回らなければ、受注が入金になる前に息切れします。投資判断の土台となる数字も見えていません。
守りで時間を稼ぎ、その間に攻めで受注の柱を組み替える。攻めで生まれた利益が、守りの財務をさらに厚くする。この循環に入った会社が、半年を越えて生き残ります。
5. いますぐ着手すべき3つのアクション
1. 【守り】2〜6か月先の資金繰り表をつくる
まず「2か月先の手元資金」を数字で出してください。即答できないなら、ここが最優先です。
2. 【守り】価格スライド条項を一文入れる
次の見積・契約から、価格と工期の協議余地を契約に残してください。
3. 【攻め】主力商材をナフサ依存度で仕分ける
影響の小さい側へ営業の入口を一つ増やしてください。着手の早さが、そのまま半年後の体力差になります。
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日時:2026年6月9日(火)18:00〜19:00
形式:オンライン(Google Meet)
参加費:無料
対象:外壁塗装・屋根・リフォーム・水回り・内装・総合リフォーム事業者様
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よくある質問(FAQ)
Q. ナフサショックの影響は、建設業ではいつまで続きますか?
A. 材料供給そのものは徐々に緩和に向かう見通しですが、価格改定の交渉・遅れた工程の取り戻し・手元資金の回復には供給回復から数か月の時間差があります。
Q. 守りの財務と攻めの営業、どちらを先にやるべきですか?
A. まずは守り、特に資金繰り表の作成から着手してください。資金繰りで時間を確保したうえで、並行して攻めに着手するのが現実的です。
Q. 価格転嫁の交渉が苦手です。何から始めればよいですか?
A. 見積書・契約書に価格スライド条項を一文入れることから始めてください。交渉の土台が「お願い」から「契約に基づく協議」に変わります。
Q. 売上3億円規模の工務店でも、ここまで備える必要はありますか?
A. むしろこの規模の会社にこそ備えが重要です。2〜6か月先の資金繰り表、価格スライド条項、主力商材のナフサ依存度の仕分けの3点から始めてください。
Q. 影響を受けにくい商材へ営業を広げるのは、値下げ競争になりませんか?
A. 値引きで取りにいくのではなく、材料リスクに左右されにくい受注の柱を増やすリスク分散として捉えるのがポイントです。
この記事の著者
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